Lectures

ロボット工学 Robotics

授業概要

アニメ映画や小説に登場したロボットやサイボーグは,一部は既に実現し,人間がロボットと共生する未来社会はすぐそこまで来ている. 本講義では,ロボット技術を初めて学ぶ者を対象に,ロボット工学に関する全般的な内容と主要技術をわかりやすく解説する.
コースの前半では,人類のロボット開発の歴史や,二足歩行ロボットASIMOなどの最新事例を,ビデオ映像などを多用して ビジュアルに紹介する.中盤ではロボット関係技術者にとって避けては通れない運動学・逆運動学について,時間をかけて平易に解説 するとともに,演習を通して確実な理解を促す.さらにコース後半では,知能ロボットを開発するために不可欠な,センサ技術と制御 技術を解説する.特に画像センシングに関しては,パソコンを用いたプログラミング実習を通して,高度な技術を実際に体験できる場を設け, 臨場感のある授業を行う.なお本講義は,ロボットの設計や製作に関する実習系授業,またはロボット関連のゼミ授業を円滑に進めるための 理論的な知識と基本技術を効率よく学ぶ準備段階としても位置づけられる.

授業目標

本講義は,これから初めてロボット技術に関わっていく者にとって重要なエッセンスを学ぶための概論的講座であるから,ロボット工学の全般的な知識を習得することを第一の目標とする.同時に,要素技術としては,ロボット技術者として避けては通れない逆運動学の問題や,センサ技術,制御技術との関連を扱い,これらの基本問題が着実に解けるレベルになることを目標としている.

授業方法

スライドや板書,配付資料を用いる.理解を深めるために,要所要所では簡単な演習なども取り入れる. さらに,ロボットセンシングの単元ではPCを使ったプログラミング演習もおこなう.

質問への対応

授業時間内,およびオフィスアワー(メイルでの事前連絡が望ましい)

授業計画

 1.イントロダクション:ロボット工学とは
 2.アニメや小説の中のロボット
 3.さまざまなロボット(アミューズメント,生産,サービス,その他)
 4.ロボットマニピュレータの基礎
 5.ロボットの機構
 6.ロボットの運動のモデル化
 7.ロボットの運動学と逆運動学
 8.ロボットマニピュレータ問題の基礎演習
 9.知能ロボットのためのセンサ技術
10.ロボットビジョン(ロボットの視覚)
11.PC演習Ⅰ(ロボットセンシングに関するプログラミング基礎実習)
12.PC演習Ⅱ(ロボットセンシングに関するプログラミング応用実習)
13.ロボット制御の基礎
14.知能ロボットの最前線
15.まとめ

教科書・参考書

教科書:ロボット工学,早川恭弘ほか,コロナ社(類似の書籍に変更することがあるが,その場合は初回講義時に通知する.)

成績評価方法・基準

小レポート等を含む授業への参画状況(約20%),課題レポートや演習レポート(約30%),および定期試験(約50%)を総合的に評価する.なお,本講義では,特に積極的に授業に参画した者に対してはドラスティックに加点評価を行っている.

履修者へのコメント

ロボット工学は,センサ工学とならんでロボットの設計や製作に関する実習系授業やゼミ授業を円滑に行うための事前準備としてきわめて 重要な技術ですので,ロボット技術,メカトロニクス技術などの機械情報分野を志す学生は,特にしっかりとした目的意識を持って受講してください. 一部の単元では,三角関数などの高校生レベルの数学や,ごく簡単なC言語プログラミングの知識を必要とします.これらについては授業中にも復習の時間を設け ていますが,各自でも復習しておいてください.なお,PC演習ではノートPCが必要です(持っていなくても受講できます).

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