[Japanese/English]

Lectures

センサ工学 Sensor Engineering

授業概要

ロボットは手足が動くだけでは単なる機械にすぎない.ロボットが知能を持ち,知的に動作するためには, 人間の眼や耳のような感覚が不可欠である.本講義では,ロボットに知能を与えるためのセンサ(感覚) 技術について,基礎から応用までをわかりやすく解説する.これらは,今後さまざまな実習系授業やゼミ研究 でロボットや機械システムを設計・製作していく上で共通的に使える基本技術でもある.
コース前半では,信号処理やデータ分析などの基本技術を説明する.要所ごとに例題を解きながら一歩一歩 着実に理解していく.後半では,ロボット技術に関連が深い物理量センサを中心とするさまざまなセンサの原理や特徴, 使い方を学ぶ.特に,知能ロボットの開発に不可欠な画像センシングに関しては,PCを用いたプログラミング演習に より理解を確実なものにする.さらにコースの終盤では,実験室に移動して授業を行い,実際のセンサシステムや, センサを搭載して人間のように高度な動作をする知能ロボットを見たり,触れたりし,ロボット知能化技術の最先端の様子 を体験してもらう.

授業目標

センサ工学は,ロボットなどの知能センシングの根幹をなす学問である.本講義では,センサデバイスとその情報処理システム 技術について,原理と応用事例を理解することを目標とする.また,PC演習や実験室での授業を通して,センサシステムの実際 についても体感的に理解してもらう.

授業方法

スライドや板書,配付資料を用いる.理解を深めるために,要所要所では簡単な演習なども取り入れる. さらに,画像センシングの単元ではPCを使ったプログラミング演習をおこない,実験室での体験型授業も行う.

質問への対応

授業時間内,およびオフィスアワー(メイルでの事前連絡が望ましい)

授業計画

 1.イントロダクション
 2.センサ工学の概要
 3.計測と単位系
 4.データと誤差解析
 5.センサ信号処理
 6.生物の感覚機能
 7.物理量のセンシングⅠ(位置,変位,力)
 8.物理量のセンシングⅡ(エネルギー)
 9.物質のセンシング
10.画像センシングデバイス
11.画像処理の基本
12.PC演習(センシング情報処理のプログラミング実習)
13.知能ロボット実習(実験室での体験型授業)
14.画像センシングの最前線
15.まとめ

教科書・参考書

教科書:センシング工学入門,木下源一郎・実森彰郎,コロナ社
(その他,オリジナルの補足資料も配布する.)
参考書
(1)センシングの基礎,山崎弘郎,岩波書店
(2)メカトロニクス概論1[入門編],舟橋宏明監修,実教出版
(3)ディジタル画像処理,ディジタル画像処理編集委員会監修

成績評価方法・基準

小レポート等を含む授業への参画状況(約20%),課題レポートや演習レポート(約30%),および定期試験 (約50%)を総合的に評価する.なお,本講義では,特に積極的に授業に参画した者に対してはドラスティック に加点評価を行っている.

履修者へのコメント

センサ工学は,ロボットの設計や製作に関する実習系授業やゼミ授業を円滑に行うための事前準備としてきわめて 重要な技術ですので,ロボット技術,メカトロニクス技術などの機械情報分野を志す学生は,特にしっかりとした 目的意識を持って受講してください. 一部の単元では,オームの法則などの初歩的な電気回路や,ごく簡単なC言語プログラミングの知識を必要とします. これらについては授業中にも復習の時間を設けていますが各自でも復習しておいてください. なお,PC演習ではノートPCが必要です(持っていなくても受講できます).

▲Topへ