線形代数学 Linearalgebra
授業概要
線形代数学は,ロボットや機械系分野のみならず工学全般で幅広く利用されているきわめて重要な基礎数学である. 本講義では,ベクトルと行列を中心に基礎から応用までを平易に解説する. ベクトルでは
内積・外積の諸性質や1次独立の概念等を,行列に関しては行列式や逆行列等を学ぶ. また空間内における座標変換や表現方法についても解説し,幾何学的側面からも理解を深める. 演習や課題を多く
取り入れて確実な理解を狙うとともに,コース終盤ではロボット分野での適用実例を示し,線形代数の意義を体感する.
授業目標
機械系専門科目の履修や卒業研究の遂行に不可欠な,線形代数学の基礎を確実にマスターすることを目標とする. ベクトルや行列,およびそれらに関連する数学的技法の概念を理解するとともに,具体的な
演算方法を習得して,さまざまな実践的場面に置いて自由自在に使いこなせるレベルを目指す.
授業方法
プロジェクタを利用した概念説明,板書による解説を中心とするが,講義中に演習問題を解いたり,各種課題を宿題として課すことによって確実に理解してもらう. 線形代数学は空間幾何学との関連が深いこと
から,随所にロボット幾何学等の現実の問題との関連性を意識できる教材を準備しつつ,実践力の養成を図る.
質問への対応
授業時間内およびオフィスアワーにて対応する(メールでの事前連絡が望ましい).
曜日・時間帯やメールアドレスは初回講義にて通知する.
授業計画
1.ベクトル
2.ベクトルと内積
3.平面および空間のベクトル
4.行列の和・差・実数倍
5.行列の積
6.基本変形
7.簡約な行列,階数
8.正則行列
9.総合演習
10.行列式の定義,クラーメルの公式
11.余因子展開
12.行列と1次変換
13.折り返し変換,正射影変換
14.固有値と固有ベクトル
15.線形代数の工学応用
教科書・参考書
教科書:よくわかる線形代数(Primary大学ノート),藤田岳彦ほか(実教出版)
(その他,オリジナルの補足資料も配布する.)
参考書
岡本和夫:線形代数(新版数学シリーズ)(実教出版)ISBN-13: 978-4407321692
成績評価方法・基準
課題・レポート(50%) 定期試験(50%)
履修者へのコメント
線形代数学は機械工学系,特にロボティクスやメカトロニクス関連のエンジニアにとって必須の学問です. 今後,センサ工学やロボット工学などの重要な必修専門科目を学ぶために,この機会にしっかりマスターしてください. この講義は,座学に加えて適度な演習課題を課すことによって着実に身につくように設計されていますから,課題物については遅滞なく必ず提出するようにしてください.